「菊と刀」と言えば名著である。
ほれ、あれ、そのお、あの人が書いた本。
と言っても全然思い出せない。
それもそのはず、買ってはみたものの、読まずに積読したあの本だ。大学の指導教官に、なんだか「日本の古き良き精神がそこに描かれているから読んでみなさい」というようなニュアンスで言われた気がする。
著者の方、買ったのに読まず申し訳ありません。
名前を思い出せず申し訳ありません。
書かれた内容とニュアンスが違っていたら申し訳ありません。
無知な私を、お許しいただきたいと思います。
(「名著」と伝えたということで、お許しを。)
それはさておき、
今日は朝から用事で銀行へ行った。もちろん自転車で。
繰り返言うが、自転車で。
これは立派な運動だ。
チャリ~ン!
心地のよいお小遣いの貯まる音がする。
そうか、「チャリンコ」の「チャリン」てそういう意味か!
いやいやそんなはずはない。(そんな話はどうでもいい。)
銀行の帰りにふと道路の反対側を見ると、菊の花の展示がしてあるのに気づく。
ハイ、素通り確定!といつもなら気にも留めず帰るところだが、
今日は何だかそばで見てみたくなったので、道路を渡って見に行くことにした。
たくさんの菊の花が並んでいる。
甘い菊の香りに思わずマスクを下ろす。
なんともいえないい香り。
小学校の頃、一人一鉢大事に育てていたことを思い出す。
背丈の大きい菊、小さい菊、花の大きいもの小さいもの。いろんな色の菊。
誰一人いなかったので、「この花は大きいな」「こんな色・形があるのか」一人でブツブツ言いながら、そんな菊たちをしばらく鑑賞した。
そして、清々しい気持になり、さて帰ろうかと駐輪場に向かおうとした。
こんな時に限って、神様はいたずらをする。
コツコツコツ。向こうから誰かが歩いてくる。
どうも前職の時の上司。
何となく、気まずくて、うつむきがちにすれ違う。
案の定、そのまますれ違う。
心の中に凍るような風が吹き抜ける。
まるで、刀で斬られたような感覚がああ、、。(ちょっとこじつけかな(笑))
あああ、私は何を期待しているのだろうか。
自分が情けなくなる。
私はきっと、相手に気付いて声をかけてほしいのだろう。
さみしいなら、自分から声をかければいいのに。
(心を病んだ人と見られるのがしんどくて、こちらからは声をかけづらい。相手はそんなこと気にも留めていないだろうが。)
でも、仕事を辞めてから、ずっとそうだ。
自分からは声をかけられず、相手も仕事を辞めた者に対してどんな声をかけたらいいか分からない。
卑屈になる必要もないし、ことさらに気遣ってもらう必要もない。
こちらとしては、ただ話ができたらうれしいというだけなのだが。
まあ、マスクをしてたから分からなかったということで、
私があの頃より太っているから気付かなかったということで、
よしとしよう。
所詮その程度のことだ。
ただ、一つだけ。
やはり、諸々の経過は知らないにしろ、共に戦った元仲間が苦しんでいたり、乗り越えようとしていたら、自分なら声をかけたいと思う。
今、声をかけるタイミングかどうかは分からない。誰にも分からない。おそらく本人にも。
ひょっとすると今、声を掛けられるとしんどい時かもしれない。
それでも私は声をかけるだろう。
その声が、今その人の役に立ったり励みになったりするかどうかは分からない。でも、先になって、声をかけてもらったという事実・温かみはきっとその人の支えになると思うから。
(もう8年近くしんどい思いをし続続けている自分の実感として。万人に当てはまるわけではないが)
話なんて何でもいいのだ。たわいのないことで、、、。きっと、、、。
今日は菊を愛で、刀でなで斬りにされちゃった。
いや、むしろ声をかけられなかった腹いせに、私が言葉の刀を振り回したことになるのかもしれない。(笑)
私流の「菊と刀」?な時間でした。
まあ、とにもかくにも運動したなあ。
ちゃり~~~~~ん!