日記「みさちゃんとともに」

日々の暮らしを綴ります。

2年前の自分に挑む  (耕司

ちょうど2年前、実家の畑で野菜作りをしようとした。

 それまでは休職を繰り返していた。3月に退職することが決まり、長く体を休めていたので、「そろそろ何とか動きださないとやばいのでは」と思い始めた頃だった。『実家のそばの直売所に出荷ができるらしい』という話を聞いた。

 今の今、すぐに何か仕事ができるわけでもないし、実家に行けばできそうなことだ。農家になれるほどの広い畑はないが、いくらかは出荷できるのではないかと思い、軽い気持ちでやってみることにした。

 しかし、当然現実は甘くない。冬の間はまだよかったが、暖かくなるや否や一面に蔓延る草、とってもとってもきりがない。スギナが根を畑全体に張り巡らせて非常に厄介だ。しかも、いろんな種類の野菜をバラバラに植えているので、草が非常にとりにくい。「打たれても打たれても立ち上がる精神で頑張る」と言えば聞こえはよいが、やっと立ち上がろうとしたばかりの自分には、それを乗り越えることは、あまりに酷だった。次第に実家から足が遠ざかる。そして、また、、、家での生活に逆戻りとなってしまった。

 実際は、毎日のように実家に通うこと自体が、精神的にも肉体的にも重荷になってきていたこともあると思う。まだ自分が思っているほどまで回復できていなかったのだ。手続き上、退職したからと言って、一瞬で全てが切り替わり心機一転できるわけではない。「退職=即・新しい人生」といかないのだということを痛感した。

 

 あれから2年。 

 心身共に少し回復し、今度こそ多分、立ち上がれそうな気配を感じる。私は畑仕事に行かなくなったが、父が細々と出荷を続けてくれていたおかげで、まだルートは生きている。今度は立ち止まってしまわないように、そしてくじけないように、細心の注意を払いながら、まず草に負けない効率のよい仕事のやり方を探して準備を始めた。

 畑仕事は重労働だし気候の影響も受ける。暑さ寒さを含めしんどいことも多いが、「出来が悪い野菜は家族で食べてもいいのだし、いいものができれば多少でも出荷しよう」ぐらいに思って頑張っていこうと思う。そうするうちに、きっと体力・気力もついてくるだろうと思っている。

 

 次回は資助のお話です。