日記「みさちゃんとともに」

日々の暮らしを綴ります。

♪72 夜9時の来訪者

 油断していた。

全く油断して、テレビの前でゴロゴロしていた先週の金曜の夜のこと。

 

 

 夜も9時を過ぎたが、妻はまだ仕事から帰ってこない。

私は下の子と二人で、ゴロゴロとテレビを見ていた。

 下の子は、明日は部活の記録会の日。

なのに準備もせずに、のほほんと。

 私は、明日の朝早くからある用事(後述)がある日。

なのに何にも考えず、ぐでぐでと。

 

 ピンポ~~~ン!

 

 家のチャイムが鳴る。

あまりにも突然のことだったので、

起き上がろうとして立ち上がれず、転ぶ(ころり~~ん)。

 そりゃそうだ。

夜9時にお客さんが来るなんて、チャイムが鳴るなんて、めったにない話。

 体も心も全くもって油断していた。

 

 体勢を立て直し、玄関に向かう。

インターホンの映像を見ると、人が一人立っている。

 何かの勧誘かな?近所の人が用事かな??

混乱した頭を無理やり回して考える。

 

 「はあ~~い。」

 ガチャ!

 

 玄関を開けると、そこには見慣れた人がにこにこ笑顔で立っている。

思わず、目を見開き、言葉を失う。

 一呼吸おいて、次々に湧き上がる疑問とこみあげてくる喜びが、

詰まっていた声を喉から押し出す。

 

 「どっ、どうしたの?」

 

 上の子だ。

1週間前に県外の大学に行った。

元気に大学生活を送っているはずの。

 

 「うん?明日来るんでしょ。

  だから帰ってきてみた。」

 

 そう。

 確かにそう。

 明日は上の子のところに行く予定。

(用事というのはこれです!

 久々?(1週間ぶり)に会えるので、むっちゃ楽しみにしている。)

 4月初めに「頑張れよ。そして上の子に負けないように自分も成長しよう」

と心に決め送り出せるはずだった。

 だが現実は、

アパートの前の住人が3月いっぱいまでいたため、

4月1日までアパートに入れず。

 大急ぎで頑張ったものの、3日間ではいろいろな手続きに追われ、

大きな生活用品など充分物もそろわず、運びきれず。

 なので、明日は妻と一緒に手伝いに行く予定にはなっていた。

 

 なるほどね。

 でも、まさか前日に帰ってくるとは!

「帰りは(車に同乗するので)電車代がかからない!」作戦ね。

 

 「よく、かえってきたなあ。」

 

 上の子の肩をポンとたたき、迎え入れる。

言葉にできないうれしさが、あふれでる。

 下の子もびっくり。

そして、3人で、にこにこ。

 さてさて、帰ってきたので話でもしようかと思ったら、

下の子と早速ゲームを始める。

現代っ子だなあ。

 でも、そういう(ゲームを通しての、言葉ではなく気持ちの)

会話があってもいいよね。

 

 

 時間をかけ話をよくよく聞くに、

午後6時の段階で、急に「帰ろっかなあ」と思ったらしい。

そして、午後7時の電車に乗って、乗り換えて、

帰宅まで約2時間の行程。

 

 何を思い、電車に乗ったのか、

どんな思いで車窓から外をながめていたのか。

 寂しくなったのか、時間を持てあましたのか、分からない。

上の子なりの思いがあって帰ってきたのだろう。 

 

 でも、ただただ「よく帰ってきたね」と言いたい。

 

 親としては、甘いのかもしれない。

 子どもも、甘ったれているのかもしれない。

でも、帰ってきた上の子は、家族のことを大切に思ってくれている

まさに我が家の子らしい我が子。

 だから、「1週間しかいないのに寂しくて帰ってきた?」なんて、

思う必要も言う必要もない!

 うちの子だから帰ってきた・きてくれたのだ!

それでいいのだ。

 

 

 そして、次の日、下の子を朝早く記録会の会場へ車で送り届けると、

上の子のアパートへ。

 家から妻と上の子と3人で一緒に行ったので、

行ってから会うより長い時間、一緒に過ごすことができた。

 

 ただ、

 ただ、

 ただ、そんなふうに帰ってきて、一緒に行ったので、

その後、家に帰ってきてからの寂しさが倍増。

 心を決めて送り出していたのに、

心がちょっと揺らいで、もう一度しんどい思いをすることになりました(笑)。

 

 

 なんだか、今週も帰ってくる予感がするようなしないような。

(さすがに帰ってこないだろうけれど(笑))

 

 

 また近々、帰ってこ~~~い!

(県外といっても近いところなので電車代も安く帰りやすいみたい。)