油断していた。
全く油断して、テレビの前でゴロゴロしていた先週の金曜の夜のこと。
夜も9時を過ぎたが、妻はまだ仕事から帰ってこない。
私は下の子と二人で、ゴロゴロとテレビを見ていた。
下の子は、明日は部活の記録会の日。
なのに準備もせずに、のほほんと。
私は、明日の朝早くからある用事(後述)がある日。
なのに何にも考えず、ぐでぐでと。
ピンポ~~~ン!
家のチャイムが鳴る。
あまりにも突然のことだったので、
起き上がろうとして立ち上がれず、転ぶ(ころり~~ん)。
そりゃそうだ。
夜9時にお客さんが来るなんて、チャイムが鳴るなんて、めったにない話。
体も心も全くもって油断していた。
体勢を立て直し、玄関に向かう。
インターホンの映像を見ると、人が一人立っている。
何かの勧誘かな?近所の人が用事かな??
混乱した頭を無理やり回して考える。
「はあ~~い。」
ガチャ!
玄関を開けると、そこには見慣れた人がにこにこ笑顔で立っている。
思わず、目を見開き、言葉を失う。
一呼吸おいて、次々に湧き上がる疑問とこみあげてくる喜びが、
詰まっていた声を喉から押し出す。
「どっ、どうしたの?」
上の子だ。
1週間前に県外の大学に行った。
元気に大学生活を送っているはずの。
「うん?明日来るんでしょ。
だから帰ってきてみた。」
そう。
確かにそう。
明日は上の子のところに行く予定。
(用事というのはこれです!
久々?(1週間ぶり)に会えるので、むっちゃ楽しみにしている。)
4月初めに「頑張れよ。そして上の子に負けないように自分も成長しよう」
と心に決め送り出せるはずだった。
だが現実は、
アパートの前の住人が3月いっぱいまでいたため、
4月1日までアパートに入れず。
大急ぎで頑張ったものの、3日間ではいろいろな手続きに追われ、
大きな生活用品など充分物もそろわず、運びきれず。
なので、明日は妻と一緒に手伝いに行く予定にはなっていた。
なるほどね。
でも、まさか前日に帰ってくるとは!
「帰りは(車に同乗するので)電車代がかからない!」作戦ね。
「よく、かえってきたなあ。」
上の子の肩をポンとたたき、迎え入れる。
言葉にできないうれしさが、あふれでる。
下の子もびっくり。
そして、3人で、にこにこ。
さてさて、帰ってきたので話でもしようかと思ったら、
下の子と早速ゲームを始める。
現代っ子だなあ。
でも、そういう(ゲームを通しての、言葉ではなく気持ちの)
会話があってもいいよね。
時間をかけ話をよくよく聞くに、
午後6時の段階で、急に「帰ろっかなあ」と思ったらしい。
そして、午後7時の電車に乗って、乗り換えて、
帰宅まで約2時間の行程。
何を思い、電車に乗ったのか、
どんな思いで車窓から外をながめていたのか。
寂しくなったのか、時間を持てあましたのか、分からない。
上の子なりの思いがあって帰ってきたのだろう。
でも、ただただ「よく帰ってきたね」と言いたい。
親としては、甘いのかもしれない。
子どもも、甘ったれているのかもしれない。
でも、帰ってきた上の子は、家族のことを大切に思ってくれている
まさに我が家の子らしい我が子。
だから、「1週間しかいないのに寂しくて帰ってきた?」なんて、
思う必要も言う必要もない!
うちの子だから帰ってきた・きてくれたのだ!
それでいいのだ。
そして、次の日、下の子を朝早く記録会の会場へ車で送り届けると、
上の子のアパートへ。
家から妻と上の子と3人で一緒に行ったので、
行ってから会うより長い時間、一緒に過ごすことができた。
ただ、
ただ、
ただ、そんなふうに帰ってきて、一緒に行ったので、
その後、家に帰ってきてからの寂しさが倍増。
心を決めて送り出していたのに、
心がちょっと揺らいで、もう一度しんどい思いをすることになりました(笑)。
なんだか、今週も帰ってくる予感がするようなしないような。
(さすがに帰ってこないだろうけれど(笑))
また近々、帰ってこ~~~い!
(県外といっても近いところなので電車代も安く帰りやすいみたい。)