卒業!
ついに、ついに来るべき日が来てしまった。
この日が、待ち遠しかった気持ちが、1割。
来てほしくなかった気持ちが、9割。
でも、時間は止まってくれない。
「こんにちは。今日もよろしくお願いします。」
いつものように挨拶をし、整体院の扉を開け、いつものように部屋に入る。
いつものように荷物を置き、いつものように上着を脱ぐ。
汗ふきタオルとお茶をとり出し、整体の準備、、、。いつものように、、、。
いつものようにいつものように、いつもの時間が流れていく。
いつものようにじゃなく天井を見上げてみる。
いつものようにじゃなく周りを見回してみる。
料金表、施術コースの案内、お知らせ。
本棚、ソファー、来店した方の色紙。
初めてみた時はどんなだったのだろう。
まだまだ、家で一人しんどさと戦う時間の長かったあの頃に、我が子を連れてきては、じっと待っていたなあ。
それが、まさかこんなこと(修行を終え整体師になる)になっていようとは。
そして今あるのは、その1つ1つのものを心に刻みたいという思いだけ。
今だけは、今この時間だけは、まだ生徒でいられるから。
なじみのお客さんの施術をさせてもらう。
いつものように、ではあるが、これが最後かと思うと名残惜しい。
ここに来た1年半の間に、たくさん声をかけてもらったり励ましてもらったりした。
涙で目が潤む。
施術を終え変える時には、記念の集合写真までもらった。
整体の先生とお客さんたちと私の納まったその写真には、いろいろな話をし笑ったり、お互いに励ましの声をかけあったりした、思い出も時間も空間も、こもっているように感じられる。
ああ、ここで修行させてもらえて、本当に幸せだったと改めて思う。
お客さんが帰られ、私の修行もいよいよ終わり。
感謝を伝え、先生の手を握りしめ、お別れ。
先生、1年半の修行を本当にありがとうございました。
4月からがんばります。
また、来ます。
いつまでもお元気で。
感謝!感謝!感謝!